詐欺師にあった人のポリスレポートの話

2011年07月27日 | バンコク | コメントする 

2011年の話です。

7月17日、宿泊しているゲストハウスのロビーで、スタッフと話をしているNINAと名乗る女性に会いました。年齢は52歳、チェンマイ出身らしく、バイクの売り手を探していることを話すと、興味を示しました。その日は近くのレストランに夕食に行き、そのことについて話しました。

1人で旅行しており現在は隣の部屋に宿泊しており、バンコクの息子のためにバイクが欲しいらしく、安く済むなら是非買いたいとのことです。

7月18日、結局バイク屋との交渉でバイクが高額になることを知ると諦めましたが、約束していたディナークルーズには行くことになりました。

ディナークルーズの料金150Bはおごってくれるそうです。

船の中

NINAと名乗る女性

料理は割り勘でした。イエローカレーがやたらと辛く、少し無理して食べてると胃に異変を感じました。胃が燃えるように熱くなり、トイレに駆け込みました。


結局2時間半のディナークルーズの中、1時間はトイレの住民になっていた

景色

発射

少し経つと収まりました

恐らくトウガラシの取りすぎによる中毒らしいとのことです

結局帰った後も下痢は一晩続き、ネットで症状を調べるとトウガラシの過剰摂取による中毒症状にそっくりだったので最初は疑わなかったけど、間違いなくなにか盛られた。

7月19日、朝になってあまりにもおばさんがしつこく心配してきて、自分の責任だから治療代は払うから病院に行こうとうるさい。パスポートのコピーを持って彼女とタクシーに乗り込んで行くことになりました。

注射一本で気が済めば良いと思いタクシーに乗って、一緒に病院に行くとこの様です。

個室に連れられて半日入院、治療に時間が

院内食、っていうか大袈裟すぎる

窓からの景色は良いけど退屈すぎる

2時に帰ってくると言ったNINAは帰って来ず、治療費3万円をカードで支払うことになる。医者は手術中であと2時間ほど待って欲しいと言われたけど、バンコク滞在最終日前日でそんな時間もないので、自分で点滴を外してさようならした。

帰るなり、結局自腹で治療費を払ったことをゲストハウスのスタッフに愚痴ると、そのスタッフは目の色を変えて言った。昼頃その女性が戻ってきて、病院の手続きにパスポートが必要だからと扉を開けたと。なにかなくなったものはないかチェックしたほうが良いと言われて見ると、案の定パスポートと同じポーチに入れていた現金がなくなっていました。NINAを名乗る女性は既にチェックアウトして姿をくらましていました。

前日に売り払ったバイクの売り上げ及び日本円、米ドル合わせて7万円あまりがなくなっていました。

警察直行、事情を話すと、パトカーに乗ってゲストハウスに戻りました。

それから聞き込み、入院している最中、NINAを名乗る女性は一旦ゲストハウスに戻って来て、スタッフに鍵を開けさせポーチを回収、その中のパスポートを病院に見せるとのことで、その後また戻って来て、部屋にポーチを戻すなりチェックアウトしたらしい。ゲストハウスのスタッフも法的に落ち度があるらしく、宿泊費は全額返し、明日の空港へのタクシーは立て替えると言ってきた。さすがにそこまでしてもらうのは申し訳ないので、宿泊費は半分の600バーツだけ返してもらった。

結局全ての聞き込みが終わる頃には夜になっていました。

ポリスレポートをもらい、警察署を後にしました。

警官にはこっちにも落ち度があると言われたが、最初はあまり理解できなかった。そもそも入院中に部屋に入られては防ぐ手段もない。あるとすれば、事前に部屋に南京錠をかけておくことぐらいしか思いつかなかった。病院に連れて行くと言われて連れて行かれるのは当たり前の行為だし、その時は疑う余地もなかったし、ゲストハウスのスタッフやその周辺の人たちも疑わなかったし、驚いている様子だった。

後になって思えば、会話には部分部分矛盾があり、人を騙す上での設定の綻びがあったことが伺える。それにいくら辛いとは言え、普段から食べているトウガラシであそこまで痛烈な下痢になることも普通では考えられない。最も落ち度があると言えば、どこにでもいるような普通のおばさんだからと、あっさりと信じてしまったことにある。

なにともあれ、人は見かけで判断するところが裏目に出た。旅行中は人を見た目で判断して危険を回避するのは定石だけど撤回する、人は見た目で判断はつかない。

管理人は馬鹿なので、必死に会話を英語に変換する最中、相手の嘘を見抜くような知能は持ち合わせてはいない。今後いくらでもそう言った人間の接触は想定できるし、回避する方法を対策する必要がある。

現地人と一切の交流を断つ??最も安全で確実な方法だが、これをやるとなんのため旅行行ったんだ??となるのでお勧めできない。無難な方法は身元の確実でない者と行動しないこと、等があるが、そもそもこの世界で出会う者で身元が定まっている者がいくらほどいるかと言われれば難しい。宿に見せているパスポートは偽造かもしれないし、そのお店、オフィス事態が犯罪のグルだってこともありえる。

無難な方法として、物価水準がかけ離れた国の人間とは深く関わらない??という方法があるが、結局はこれも100%も未然に防ぐことは難しいだろう。

考えるのをやめた。

性格上、どうせこれからも人に騙されつつそれに気付いたり気付かなかったりして生きていくと思う。

なにともあれ、パスポートは無事だったので旅に支障はない。ご丁寧に部屋にパスポートを戻したのは、チェックアウトする際に疑われないようにしたためだろうけど運が良かった。睡眠薬で眠らされゴッソリ30万円盗まれた欧米人の女性の話を聞くと、まだ救われた気になった。

NINAを名乗る女性の写真は警察に提出したけど、今後の逮捕は期待できないだろう。あわよくば逮捕されて鞭打ち及び火あぶりになって反省してもらいたいところだけど期待できないのでなるべく忘れるようにする。

総合的に見ると、今ではタイが嫌いです。良いこともたくさんありましたが、それを黒く塗りつぶすほど悪いこともたくさんあったので。流れ旅というのは、そういう意味では良かったです。良い思い出も悪い思い出もその場所に置いて、次の場所へ向かえるから。



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