史上最凶のツーリング
2012年05月13日 | ウユニ, カラマ, キャンプ, バイクの旅 | コメントする
2012年5月5日
ボリビアのウユニから、チリへバイクで国境越えしますとSEO的なキーワードで記事を始めます。以前「ウユニ」「チリ」「バイク」「国境」などのキーワードで検索した際には、バイカーの掲示板があり、ある程度経路に関する情報を入手できました。ウユニのツーリストインフォメーションでも地図をもらい、チリへ抜けるルートを教えてもらったので、後は楽勝だと高を括っていました。
ちなみに「史上最凶」という厨二的なタイトルは個人的な話です。当初は「史上最悪」というタイトルにしようかと悩んだけど、よくよく思い出せば「最悪」なエピソードは他にもあったため、ここは劣悪という意味で「凶」にすることにした。
UYUNIから南西→右折→Julaca→San Juan→Chiguana→Ollagueと行く予定
GoogleMapでは確認できないルートがたくさんあります。これ以外にもさらに南側の国立公園を経由してチリへ抜けていくルートもありましたが、こちらの方が近そうなので安全な方法を取った。
問題はどの地点でガソリンを入手するかです。チリ側のCalamaまで抜ければ確実にガソリンは手に入りますが、想定400km無給油で走行する必要があります。予備ガソリンが約8リットル、500kmは走行可能と見ているので、道に迷わなければ間に合う距離ですが、出来れば途中で給油したいところ。
ウユニ南側のガソスタで二股に分かれているので、南西(右斜め)側を直行
参考ですが、右折せず28km直進するとSan Cristobalに向かいます。
Rio Grandeを抜けてJulacaまでも同じくかっ飛ばせる
JulacaとSan Juan間はもらった地図と少し違ったが、道なりで行けました。
ここでガソリンを入手できることを期待したが、結局何もない街でした。
トラックの運ちゃんが言うには、チリに抜けるまでガソリンはないらしい。
マフラーからボワーとガスが漏れるような音が鳴り始める。
振動でやられたみたい。恐らくこのステーがやられたことにより、シリンダー側のシール、いわゆる水道管のパッキンがやられ、排ガスが漏れているのだろうと推測。なんにしても燃費が著しく落ちるのは痛い。
San Juanを抜けた後は、南西側のChiguanaに向かうつもりが、北西側のSan Pedro de Quemesに向かっていたっぽい。とりあえず左に曲がれば進路を修正できるだろうと前向きに出発。
この直後鞄を閉め忘れ、GPSと工具を一部落とす。GPSは回収できたが、17mmレンチを喪失
かなりの悪路、溝にバイクをバッコンしてしまったため、サイドバッグのベルトが切れる。
一旦San Juanまで引き返そうにも、既に50kmほど走っている。今更100kmロスすると、ガソリンが持たない。周囲には民家もなにもないし人に聞くこともできない。精神状態最悪のまま刺繍に没頭していると一台の車が通りかかり、道を尋ねると、どうやらボリビア側の国境はAvaroaであって、Chiguanaではないらしく、今走っている道で合っているらしい。
さらに22km、道は細かく割れており、メインの道を失いやすいので注意。
最初左折した時の44kmというのは大嘘でした。実際50km~60kmある。いつまでも民家が見えないのでいい加減危機感がピークに達する。ガソリンも既に総量の半分を切り、このまま走り続けると危険なため、ウユニまで引き返そうかと思ったところで、地平線に建物が何件か見えた。
スタンプを押してもらい、バイクのパーミッションも提出し、出国手続き完了。
驚いたのがこんななにもないところで、米人の旅行者がいたことです。列車で旅しているのかと聞いたら、徒歩で旅しているとか。上には上がいるものです。こんな数百キロ単位の砂漠地帯でどうやってライフラインを確保しているのか謎です。
パーミッションを作っている間に荷物検査。チリへの陸路での入国の際は、植物、果物、肉類などの持込が禁止されており、見つかると罰金らしいです。荷物検査も念入りにされると聞いていたが、鞄を空けたら「OK」「OK」だけで、スタッフも愛想が良くあっさりと終わりました。ネット情報だと国境での警官が愛想が悪く、散々だったという話も聞きましたが、人次第運次第ということでしょう。
パーミッションできました、ペルーのように保険の加入は必要ないらしい。
アルゼンチンでは保険が必要らしいという話。ついでに聞いてみたところ、チリ内では持ち込んだバイクを売ることはできないらしい。3ヶ月以上滞在してれば可能だとかどうとかいう話はあるけど、原則無理らしいので、この旅が終わったらバイクはどこかに引き取ってもらうことにしました。売り払ってガス代程度になれば良いと考えていた淡い期待はあっさり捨てることにしました。
日の入り後のダートは走りたくないし、バイクも心配になってきたので緊急避難です
先程からガス漏れしているマフラーを外してみた。
さすがにこればかりは直せません。さすが中華製、オフロードバイクに見せかけてオフロードを走ると振動だけで次々に壊れていきます。
1ドルで買ったワイヤーロックをほぐして、マイナスドライバーで隙間に叩き込んだら正解だった。ガス漏れも止まりました。
息切れ具合から標高は4000Mを越えてるっぽく、夜はかなり冷えました。
多少ロスはありましたが、今回はUyuniとCalama間を無給油で420km走行しました。俳ガス漏れというトラブルがあったため、ガソリンはギリギリでした。
ネット上では途中の小さな町でガスを給油できたなど情報がありましたが、ボリビアの辺境ではガソリンの供給が安定しておらず、全く当てにならないです。自分の運転でチリ⇔ボリビアの国境越えを考えている人は、最低でも500kmは走行できるガソリンが必要なこと、一部結構な悪路があったり、道に迷って身動き取れなくなる可能性も踏まえ、野宿できるぐらいの水、食料、装備は準備していきませう。
とりあえずは無事にチリへ入国することができました。南米ツーリングでの山場は越えたので、後はサンチャゴまでのんびりと進むだけだと安心しきっているこの頃です。