ヨーロッパ自転車旅行まとめ

ヨーロッパブログ旅のテーマ自転車の旅  | 2011年11月08日投稿

なんでヨーロッパをわざわざ自転車で旅行するのかと聞かれたことがある。一度や二度じゃない。その度に悩んで、適当に答えていました。

結局今になってもよく分からない。「ただなんとなく」としか言いようがないです。強いて言えば、日常からバイクに乗り東南アジアをバイクで周った経験から分かっていたことがあります。バスや鉄道ではなくて、自分の足で自由気ままに通りかかった何気ない場所にこそ、その土地の本当の魅力がある。本当ならバイクなどエンジン付きの乗り物で余裕を持って周りたかったですが、お金も情報もないし、別に自転車でも良いんじゃないか?ぐらいな軽い気持ちでした。いざとなったら鉄道を使うつもりだったし。

それと自転車旅行にはなんとなくロマンも感じました。ヨーロッパの美しい草原の中、自転車を止めて草むらに寝転がったり、古い建物の連なる田舎町で道を尋ねてちょっとしたやり取りを楽しんだり。実際にそんな場面は数え切れないぐらいありました。

あと「今しかできないことはなるべく今やる」という習慣のがあります。日が昇っているうちに洗濯はするし、雨が降る前に買い物は済ますし、体力のあるうちに自転車旅行しておきたい、簡単に言うとこんなところです。「なるべく」というのは、別に嫌ならやらなければ良いぐらいな軽いぐらいの気持ちです。

ちなみに管理人は自転車に関しては素人同然です。昔はBMXなど乗っていましたが、ロードバイクなど長距離モノになるとさっぱりで、地震後に自転車通勤に切り替えた数ヶ月乗った程度です。全身タイツみたいな自転車用のスーツとか抵抗あったし、昆虫みたいなヘルメットを被るのも嫌でしたが、最終的には靴以外はちゃんとした格好になりました。

ただ分かることは、ロードバイクを早く乗り回すことや、数日程度の行程を想定したツーリングとは、ヨーロッパ横断は全く別物。2ヶ月以上の移動となると、ホテルやレストランだけじゃよほど予算がないかぎり賄えないだろうし、情報の収集やキャンプも必要となります。実際自転車でヨーロッパを縦断した上で、各種ポイントをまとめてみることにしました。

==============<流れ>==============

ポーランド首都ワルシャワで自転車購入


工具やら防寒着を買い足しながら南下

チェコ、日本食食いてー。炊飯を覚える。

フランス、危ない。ヘルメット買う

スペインで自転車用輸送バッグを購入、空港で分解して飛行機に乗せて日本へ一時帰国

==============<ルート>==============
大体こんな感じ、細かいところはテキトーです

<ポーランド>
ワルシャワ→クラクフ→ヴロヅワフ

<チェコ>
トゥルノフ→プラハ→プルゼニ

<ドイツ>
ニュルンベルク→フランクフルト→コブレンツ

<ルクセンブルク>
ルクセンブルク

<フランス>
ヴェルダン→パリ→ボルドー→バイヨンヌ

<スペイン>
パンプローナ→マドリード

==============<期間>==============

2011年9月5日~2011年10月30日

10月を過ぎると閉鎖するキャンプ場が多いため、あまり良いシーズンとは言えないかも。雨は少なかった、というより全く降られなかった。

==============<自転車旅行をする上での各国の特徴>==============

ポーランド:
都市部の自転車自体ほとんどなし。路肩を強引に進む感じ。一応高速脇に側道がある傾向が高いので、主要道路に沿って都市間は移動できる。キャンプ場、キャンプ用品店は多いので補給は楽。

チェコ:
都市部は自転車用道路が整備されています。郊外も高速など自転車が走れない道に平行した道路が通っていたりと走りやすいです。キャンプ場、キャンプ用品店は多い。

ドイツ:
都市部、郊外に関わらずサイクリングロードがいたるところにあります。案内標識もそこそこ親切ですが、サイクリングロードを走ると普通の車道より走行距離が大幅に伸びて、移動を目的としている時は時間が掛かった。純粋にサイクリングを楽しみたいなら超最高です。キャンプ場も多いです。

ルクセンブルク:
ドイツと同程度、都市部はサイクリングロードが整備されています。山だらけです。

フランス;
都市部は自転車用道路が整備されていますが、郊外は一切なし。路肩も狭く、スレスレをトラックが高速で走り抜けていくのは恐怖を感じる。ヘルメット買った。キャンプ場は多いが、キャンプ用品が貧弱。わりと都市間の移動は楽でした。

スペイン:
主要都市間の移動が高速しかなかったり、不便。都市部はサイクリングロードが整備されておらず、恐怖です。キャンプ場は少なく、キャンプ用品も入手が困難。景色は良い。

==============<ハプニング>==============

ポーランドでドアバンされた

ポーランドでカメラ落とした

パリでカメラの充電器とウォークマン盗まれる

フランスでハンドルを固定するボルトが飛んだ

パンクはないです

==============<お勧めルートベスト3>==============

1位 ドイツ ライン河~モーゼ河周辺

脇に見える広大な渓谷、緑豊かで景色は眺めていて飽きません。急な坂はほとんどなく緩やかな平地ばかり、キャンプ場も多いため安心して進むことができます。キャンピングカーで来た旅行者が多く、自転車ですれ違う人達の笑顔が癒されます。

2位 スペイン ソリア南部ルート

ひんやりとした高原の空気を吸いながら、延々と続きます。起伏は激しく、水も食料も入手が困難、難易度は高めですが、広大な台地を駆け抜ける爽快感が味わえます。

3位 フランス 南西海岸付近

緩やかな森、海、キャンプ場も多く、ゆったりとした行程を楽しめます。訪れたのが10月半で、キャンプ場が閉まっていたため苦労しましたが。

==============<購入した物>==============

自転車本体:45,000円+5000円(小物代)

防水サイドバッグ左右:自転車に込み

パンク修理キット:自転車に込み

ワイヤーロック:自転車に込み

ヘッドライト:自転車に込み

紐:自転車に込み

チェーンループ:500円

三角ポーチ:1000円(使い勝手が悪いので処分)

三角ポーチ2:1500円

ハンドル固定のバッグ:2500円

登山用長袖シャツ:1700円

キャンプ用長袖トレーナー:2500円

キャンプ用長ズボン:1300円

キャンプ用半ズボン:2200円

サイクリング用シャツ:1100円

パット入りスパッツ:2000円

レグウォーマー:1800円

防水フットウォーマー:2700円→買ったはいいけどほとんど使わなかった

ランニング用タイツ:1600円

ダイビング用ソックス:1000円

こいつがマジ最高、サンダルの上から履けて、雨のキャンプでも寒くない。終盤入手したけど、もっと早く出会えてれば・・と思う。足がゴム臭くなるのが難点。

自転車輸送バッグ:6000円

マドリードの自転車屋をウロウロしていたら2軒目で見つけました。でかい、重い

結局合計8万円ぐらいです。

==============<情報源>==============

もっぱらiPhoneを利用していました。

地図:GoogleMap
ルート検索、キャッシュのダウンロードができて、都市内の細かいルートとかも分かる。市販の自動車マップはほぼ全く役に立たない。

天候:AccuWeather
風向きまで分かるので便利。気温表示が摂氏じゃないのがやや不便

宿泊:Hostelworld
手数料が2ドルほどかかるのが難点。自転車旅行だとスケジュール通り行ける保障がないからあまり使わなかった

キャンプ場検索:iCampSites
たまにガセ情報が紛れているので、見極めるのにコツがいる。キャンプ場のリンクが切れていたり、やたらと過疎地にあるのに設備情報が充実していたりすると要注意。何度か死に掛けた。

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走り終えた感想としては、正直今まで生きてきた上で堂々の1位を飾れるぐらいハードな経験でした。世の中には自転車で世界を周っている人もいて、そういった人からするとヨーロッパなんて難易度が低いと思うかもしれませんが、とにかく慣れない苦労とトラブルの連続でした。1週間も走れば体は慣れて、100km程度の移動では筋肉痛にすらならなくなりましたが、10月を越えた頃になると、キャンプ場が閉まっていることが多く、不安と孤独による精神的疲労のほうが激しかったかも。

ちなみにダイエット効果は全くありません。むしろ太ったぐらいです。太ももは筋肉がついて太くなりましたが、途中からは変化はなくなりました。結局長距離では筋肉があってもカロリーがないと体が動かないので、とにかく食べて胃が大きくなった。それと同じぐらい胴回りも太くなったけど・・。フランスなんてほとんど自転車旅行という名のケーキ屋の食べ歩きでした。途中で炊飯を覚えたのは良かったです。パンよりご飯のほうが胃に合うというか、パワーが出る。やはり自分は日本人なんだなーと思います。チェコ、ドイツ、ルクセンブルク、フランスの大型スーパーでは大抵日本米がSushi Riceとかいいう名前で日本米が売っていますので、お勧めです。

終わった感想としては、とにかく良い思い出になりました。ずっと昔から変わらない景色を眺めて、昔の旅人と自分を照らし合わせて楽しんだり、普通の観光客がまず通らないような田舎道を進んで冒険心をくすぐられたり、日本にいたらまず味わえないような非日常の連続でした。旅をするっていうのはこういうことを言うんだと思う。

今までエンジンの付いた乗り物で素通りしていた10km、100kmは果てしなく遠く、その間に色んな出来事や感情の揺らぎがあって、全く違う世界があった。ゴールした数日間は、あんな大変な旅行はもう十分だと思っていたが、都会の人ゴミに揉まれていると、また重いペダルを踏んで果てしない旅に出たくなったります。ちょっとした中毒なのかもしれない。

何ヶ月も今までの生活を放り出して旅に出るというのは、相当なリスクがあると思う。けれど確かにこの行程にはそれに見合うだけの価値があった。まだ今は旅の途中で、達成感はさほどないけれど、いずれ薄れていく感覚をここに記録しておきます。

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コメント

コメント(4) to “ヨーロッパ自転車旅行まとめ”

  1. ヨシオカ

    おつかれ。もう日本に帰ってきた?
    大変だったと思うけど、いい体験できたと思うよ。
    うらやましい限り。

  2. admin

    日本に到着しました!ご飯でも食べに行きましょう。

  3. again20

    ヨーロッパ横断(縦断)、お疲れ様でした。私自身の若い頃の夢を実現してくれたようで、楽しく拝見しました。私は昨年定年退職し、今年の4月から東京→高松自転車旅行をしようと思っています。そして、もしもその後、さらに自転車旅行をする意欲があれば、フランスを自転車で走りたいと思っています。ただ、貴方のブログでは、フランスより、チェコ、ドイツの方が走り易いとのこと。いずれにしても、たいへん勇気づけられ、参考になりました。ありがとうございました。

  4. admin

    アフリカの奥地に行ってて返信が遅れました。

    フランスも時期さえ合えば、キャンプ場が多いのでお勧めです。7月~9月ぐらいなら泊まる場所に困るということはないと思います。道路状況など安全面を考えるとやはりドイツが一番です。

    自転車旅行を終えて2ヶ月経ちますが、やはり今思い出しても良い旅でした。辛いことも多いですが、間違いなく忘れられない思い出になるはずです。是非とも挑戦していただければと思います。

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